助産院では誰でも産めるのでしょうか。
助産院は医師が常駐していません。
医療法に規定された助産院の業務管理責任者は助産師です。
妊娠、出産、産褥の各時期が正常に経過していることを助産師が判断しながら母子のケアをいたします。
助産所業務ガイドラインでは、下記の項目に一つでも当てはまる方は助産所での出産はできません
□合併症がある(喘息、甲状腺機能異常等)
□感染症がある(B型感染症、C型感染症、HIV等)
□子宮筋腫がある。又は子宮に異常がある
□子宮の手術をしたことがある(筋腫核出術等)
□帝王切開をしたことがある
□血液型がRh(-)である
□前置胎盤
□胎児に異常がある(胎児発育不全、奇形など)
□羊水に異常がある(羊水が多い、少ないなど)
□妊娠経過に異常がある(高血圧、高血糖など)
□多胎妊娠である(双子、三つ子など)
□逆子(骨盤位)が頭位に戻らない
更に
□喘息の既往がある
□不妊治療による妊娠である
□高年初産である(35歳以上)
□前回の妊娠、出産で異常があった(早産、胎児異常、出血多量など)
上記の項目に当てはまる方は、嘱託医などとも相談のうえで応じることになります。
助産所で産めない場合はどうなるのでしょうか
妊娠中、出産、産褥各時期に異常が生じた場合、助産師は妊産婦、新生児を嘱託医や嘱託医療機関へ転院、搬送することが義務付けられています。医療法第19条 保助看法第38条
▼嘱託医療機関
独立行政法人地域医療機能推進機構 大和郡山病院
嘱託医師:水田裕久
▼嘱託医療連携機関
※奈良県総合周産期母子医療センター
奈良県立医科大学
※奈良県地域周産期母子医療センター
奈良市平松1丁目30-1
(妊娠中に異常が見つかり医療機関への転院となるケースは約7%、陣痛発来後の搬送約4%、産褥期、赤ちゃんの黄疸などによる転院や搬送率は約3%です。
日本助産師会のデータと奈良県助産師会のデータ共にほぼ同様の結果となっています。
助産師は法律で正常に経過している妊産褥婦、新生児しか取り扱えませんので正常から逸脱していると判断されると早期に医療機関への紹介が義務付け得られております。)
出産に子供も立ち会うことができますか
基本的に妊婦が立ち会って欲しい人はどなたでも立ち合い可能です。お子さんは周囲が心配するより素朴に素直に出産場面を受け止めるものです。そのためのイメージ作りなど準備もお手伝い致します。
フリースタイル出産とはどのようなものでしょうか
分娩台はありませんので、赤ちゃんの安全を確認しつつ、妊婦さんの一番楽な姿勢をご自分で探しながら、また私たち助産師がサポートしながら産む姿勢を決めていきます。
自由に動き回れると赤ちゃんへの酸素供給の点でも分娩の進行という点でも重力を利用することでスムーズなものとなります。そして何よりも女性自身が自ら産みだしたという実感をもつことができます。
里帰り出産は可能でしょうか
助産院での出産の特徴は助産師との関係性が大変重要だと考えております。出来るだけ早い時期からの健診をお勧めいたします。妊娠中に何回か健診にお越しいただくことが条件となります。
出産後に夫や、子供も入院することは可能でしょうか
基本的に母子のみの入院とさせていただきますが、他の入院がないなどその時の状況で配慮は可能です。食事代、寝具代など実費をお支払いください。
健診費用は補助制度の利用が可能でしょうか
奈良県下にお住いの方は健診補助券の利用は可能です。他府県の方については一旦現金でお支払いいただき、のちに居住地で領収書を提出し還付金をお受け取りいただきます。
健診に子供を連れて行っていいですか
もちろんです。健診は家族のみんなにとって赤ちゃんを迎えるための大事な準備の機会と考えています。ただ、込み入った内容のお話しが必要な場合は、どなたか子供さんを見てくださる方と一緒にお越しいただくか、おひとりで来られる方がよろしいかと思います。
助産所の健診はどんなものですか
体重、尿検査、むくみの有無、血圧測定、腹囲、子宮底など計測し胎児の発育や位置異常の有無を見る胎児心音チェック。ご希望があれば胎児を超音波で見ることもできます。
妊婦の身体症状について日常生活全般からトータルにサポートし、妊娠経過が異常に傾いていないか、あるいは異常に傾かないようにセルフケアーの方法を共に考えていきます。妊婦自身が健康意識を高め、気づきを得ることのできる支援を致します。
助産所分娩のメリットは個別的な対応が24時間いつでも出来ることです。